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肩こりと四十肩・五十肩の違いとは?【理学療法士が解説します】

  • 2019年8月4日
  • 2020年5月11日
  • 1629view
肩こりの男性
分からない男
肩こりと四十肩の違いって何ですか?
四十肩と五十肩も違うんですか?
どうやって見分けたらいいですか?

こんなお悩み解決します。

H28年に厚生労働省が発表している国民生活基礎調査によると

日本人が痛みを感じている場所は

男性:1位腰痛、2位肩こり
女性:1位肩こり、2位腰痛
となっており、肩こりはいまや国民病といってもよい症状となっており、多くの人が肩こりで悩んでいることが分かります。
そこで、この記事では肩こりについてみなさんに知って頂きたいと思います。
また肩こりと同様によく聞く病気の1つである「四十肩」・「五十肩」との違いも知って頂き、それぞれの見分け方をご紹介します。
この記事を読むことで、肩に痛みがあった場合にどのように対処したらいいのか理解できます。
初期症状で適切に対処することで、その後に影響してきますので、肩に何らかの症状がある人はぜひ最後までご覧ください。

ちなみに私は理学療法士として11年以上病院に勤務しており、毎日のように肩に症状のある患者さんと接しています。

その経験から得られた情報も合わせてお伝えします。

肩こりと四十肩・五十肩の違いとは?:肩こり

肩こり

まずは肩こりから理解していきましょう。

肩こりとは

ずばり肩こりとは

首から肩にかけての筋肉が硬くなることです。

上の絵の赤くなっている部分です。

もう少し首の方が硬くなっていれば首こりといったりもします。

よく患者さんに聞かれることがあります。

「これって肩こりですか?」と。

「肩こり」というキーワードは良く耳にする言葉ですが、それが何のことを言っているのか知らない人が多いです。

また、自覚症状のない肩こりの人もいます。

なので、再確認ですね(^^)

言い方を変えると、肩こりとは肩にできた「筋肉のしこり」ことです。

肩こりチェック方法

肩こりがある人は、痛みのある周辺を触ってみて下さい。

最初は分かりにくいですが、注意して触ると首から肩にかけて特に硬くなっている部分があると思います。

それが、筋肉のしこり、肩こりの元凶です。

場所が合っていれば、押すと痛みが増すと思います(^-^;

また、肩だけでなく、首や腰などに痛みのある人は、その部分も触ってみて下さい。

それぞれ硬くなっている部分があると思います。

「こり」とは全身にできます!

硬さを感じることができましたか?

人によっては硬くなっている場所を押しても痛くない人もいるかもしれませんが、多くの人は痛みやそれに近いものを感じると思います。

肩こりで痛みがでる理由

肩の筋肉が硬くなると、周辺の血管を圧迫します。

血管が圧迫されると血流が悪くなります。

血流は酸素を運んでくれるため、圧迫されると酸素が少なくなります。

酸素が少なくなると痛みを感じやすくなる物質が産まれてしまい、痛みをより感じやすくなります。

ちょっと分かりにくいと思いますが、

要するに血流が悪くなると痛みを感じやすくなると覚えておいて下さい。

肩こりの原因

ではなぜ、肩にしこりができてしまうのでしょうか?

原因は主に2つあります。

・使い過ぎ
・固定する
使い過ぎとは言葉のとおり、仕事や運動などで使いすぎて疲労がたまることをいいます。
当然そうなると筋肉は硬くなるため、血流が悪くなり痛みを感じるようになります。

固定するとは、動かさないことです。

イメージとしてはギプスなどによる固定を想像すると思いますが、みなさんもよく固定してます。

それはスマホです。

スマホ首

図のように長時間同じ姿勢を取り続けることありますよね。

これもりっぱな固定です。

正確には、固定しながらも首の筋肉などは頑張っているため、疲労もプラスされており状況としては最悪です。

デスクワークの人もなりやすいですね。

こちらで詳しく解説しているのでデスクワークやテレワークの人は要チェックです。

≫ テレワークでの肩こり解消【デスクワークの姿勢が原因です】

まとめると、

肩こりとは病気ではなくただの症状であるため誰でもなります。

肩こりと四十肩・五十肩の違いとは?:五十肩

50

次に五十肩についてです。

五十肩とは

五十歳前後で肩に痛みがでたら五十肩です。

かなりざっくりしてますよね(^-^;

また、四十肩もありますが、これも

四十歳前後であれば四十肩と言われます。

また、病院によっては四十肩・五十肩などをまとめて肩関節周囲炎と呼んでいるところもあります。

これらはすべて同一のものとして扱われることが多いです。

これを言うと医者に怒られると思いますが、

よく分からない原因不明の肩の痛みをとりあえず五十肩とつけている人が多いように感じます。

以下は、実際に患者さんから聞いた話しです。

ある患者さんは、五十肩と言われ一年間治療を続けたそうです。

しかし、症状は改善しない。

先生からは湿布を貰うだけ。

さすがにおかしいと思った患者さんは他の病院を受診することに。

そこで、言われたのは「腱板断裂」です。

簡単に言うと、肩の筋肉が切れている状態です。

結果その患者さんは肩の手術をすることになりました。

1年も遅れて。

このように、本来の病気を見逃されているケースも非常に多いのが五十肩です。

五十肩の原因

では五十肩の原因とは何が考えられるのでしょうか。

原因は人によって様々です。

・転倒して肩をぶつけた
・重たい荷物を運んだ
・久ぶりにキャッチボールをした
・昔から痛かったが最近徐々に痛みが強くなってきた

要するに、何らかの原因で肩にストレスがかかり、肩を痛めている状態(肩が炎症している状態)が五十肩です。

さらに、五十肩で肩に痛みがあり、動かさなくなることで、肩こりがプラスされることも多々あります。

そして、この五十肩で大事なのはどこが炎症しているのかをはっきりさせることが大事です。

もちろん、私たちにはそこまで分かりません。

ただし、レントゲンしかとらない病院は要注意です。

肩の筋肉などを見るにはMRIや超音波など利用して検査しないと分かりません。

レントゲンだけ見て、五十肩といわれ、痛みが全く改善しない人はすぐに他の病院を受診しましょう。

肩こりと四十肩・五十肩の違いとは?:ワンポイントチェック

チェックポイント

ここでは、簡単な肩こりと五十肩の見分け方について解説します。

五十肩

・夜中寝ているときに、肩が痛くて目が覚める
・日中に肩を動かさなくても、肩が痛む

この質問に一つでも該当する人は、肩が炎症している可能性があり、五十肩かもしれません。

この場合は、自分で対処せずにすぐに近くの病院へ受診して下さい。

その際、先ほど伝えたように先生がレントゲンだけで判断しないか注意して下さい。

肩こり

・肩のしこりを軽く押してみると痛みが強くなる
・日中はしこりの周辺が重いだるい感じがする

先ほどの五十肩のチェックが当てはまらず、このチェックのみ該当する人は、肩こりの可能性があります。

簡単な対処法としては、温めることです。

理由は先ほど伝えたように血流を良くしてあげることが大事だからです。

濡れタオルをレンジで温めてもいいですが、比較的安価で売られている物もあります。

何度も繰り返し使えますので、1つ持っていると重宝します。
これで、首こり・肩こりを同時に指圧できます。

※ここに記載しているのはあくまでも簡易的なチェック項目です。

数日おいても痛みが変わらないようなら、病院にいくことをお勧めします。

肩こりと四十肩・五十肩の違いとは?:五十肩以外の病気

男性の肩

先ほども述べたように、五十肩には他の病気である可能性も考えられます。

軽い炎症であれば自然と治りますが、炎症している原因が骨や筋肉であれば、当然治らないケースもあります。

そのため、病院でレントゲンやMRIを撮影し、骨や筋肉に異常がないかを確認してもらう必要があります。

最近はテレビなどでも名前がでてくるので知っている人もいるとは思いますが、腱板断裂という病気があります。

※腱板断裂についてはこちらを参考にしてみて下さい。

関連記事

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手が上がらない男性

また、痛みが出現してから時間が経っている人であれば、拘縮肩という病気になっている人もいます。

多くの人が「ただの肩こりだから、そのうち治るだろう」と放置しています。

しかし、この期間が長くなればなるほど、のちの経過が悪くなります。

特に腱板断裂は手術をすればかなりの時間を要します。

この記事で簡単な手術から復帰までの流れを書いているので気になる人は読んでみて下さい。

≫ 肩腱板断裂の手術後の治療経過教えます【1ヶ月で仕事復帰は無理】

少しでも痛いが長引いている人は、自己判断せず、まずは病院へ行きましょう。

肩こりと四十肩・五十肩の違いとは?:まとめ

まとめ

・肩こりとは筋肉が硬くなっている状態のこと
・五十肩とは肩が炎症している状態
・四十肩と五十肩は同じ意味
・痛みが続く場合は病院へ
・レントゲンだけ病院は要注意

肩こりは誰でもなります。

ただし、五十肩や四十肩と混在することが多々あります。

そのため、痛みが長引く場合はすぐに病院で検査を受けて下さい。

早期の対応が重要です。

おまけ

よく耳にする筋(すじ)が痛い。

話のなかで、「これってスジが痛いんですか?」と聞かれることがあります。

漢字を見て分かるように、「スジ」とは「筋」と書きます。

みなさんがよく言われる「スジ」とは、肩こりによって硬くなっている筋肉のことを言っていることが多いと思われます。

その他の可能性もありますが、正確には「スジ」というものは存在しません。

最後にオススメ書籍です。

理学療法士の先生が監修しており、自分でできるストレッチなどについて分かりやすく解説してくれています。