あれ、ものすごく危険でアキレス腱を断裂するかもしれません。
理学療法士の立場から解説します。
みなさんの地域は運動会シーズンいつ頃ですか?
最近は5月頃に行う学校もありますが、私の住んでいる地域は9月に行われます。
私の場合は保育園と小学生の子供がいて、地区の運動会もあります。
地獄の3週連続運動会です(^-^;
さらに、地区の運動会は高齢の方が多いため、昨年は6種目連続で出場することもあり大変でした。
この時、怖かったのがアキレス腱断裂です。
よく、聞く怪我ですよね。
その名のとおりアキレス腱という腱が切れてしまう怪我です。
腱とは筋肉の一部です。
もし切れてしまうと、かなり大変です。
特に小さい子のいるお父さん・お母さんは久しぶりに運動で頑張りすぎるから、転んで怪我をする人も多いです。
その怪我の中でも多いのがアキレス腱断裂です。
今回は、みなさんにアキレス腱断裂について知って頂き、その予防と対策をお伝えします。
運動会でお父さんが転ぶと危険:アキレス腱断裂とは
アキレス腱とは、ふくらはぎと踵(かかと)の間にある太い腱のことをいいます。
ここが切れることをアキレス腱断裂といいます。
自分のアキレス腱を触って頂ければ分かると思いますが、かなり太くで頑丈です。
このアキレス腱というのは、体の中で一番大きな腱でとても強いです。なので普通に生活していれば、そうそう切れることはありません。
しかし、普段の生活以上にアキレス腱に負荷がかかると注意が必要です。
そもそも、立っているだけでも体重を支えないといけません。
さらにランニングをしたとすると、なんと体重の6~12倍ほどの負荷がアキレス腱にかかります。
体重60㎏の人なら最大720㎏
体重84㎏の人なら最大1000㎏ 1トン( ゚Д゚)!!!
5㎏の米なら200個分(^^)
すごい負荷ですね。
そのため、長距離ランナーやバスケット選手、バレー、バドミントンなど走ったり、ジャンプしたりを繰り返し行うスポーツ選手もアキレス腱を傷めたり、切れたりします。
運動会でお父さんが転ぶと危険:アキレス腱が切れやすい人とは?
私と同世代のお父さん・お母さん要注意です!
もっとも多いのが30〜40代の男性です。(Mindsガイドラインより)
運動会でのリレーなどが1番危険です。
断裂してしまう原因は
・アキレス腱の柔軟性がない
この2点になります。
やっぱり子供の前だとはりきりますよね。
先程もお伝えしましたが、普通に走るだけでも体重の6〜10倍の負荷がかかります。そこに小さいグランドでの急カーブがきたらアキレス腱に捻りまで加わります。
アキレス腱に対する負荷はMaxです。
よほど鍛えていない限り、あなたのアキレス腱はこれに耐えられません。
また、30歳を過ぎてくると、筋肉の柔軟性が失われていきます。
こちらも普段からストレッチなどで対策している人はいいですが、ほとんどの人は何もしていないと思います。
だから十分に注意して下さい。
運動会でお父さんが転ぶと危険:なぜ転ぶのか?
特に注意して頂きたい人たちは、
・定期的にランニングしてる・筋トレしている人
なぜなら、
筋肉は普段動かしている範囲の動きにしか対応出来ないからです。
ランニングや筋トレで使う筋肉の範囲や使い方は、リレーのような短距離走とは異なります。
そのため、いくら普段からランニングなどをしていても、全力疾走するための筋肉はついていないのです。
だから負荷に対応できずに切れてしまいます。
また、昔の財産だけで運動しているような人は本当に注意して下さい。
あなたの10年以上前の運動イメージで体を動かすと、絶対に転びます。
事前に準備もせずに、運動会でいいところを見せようとはりきると、転びます。
要注意です。
人間は脳に昔の記憶やイメージが残っているため、頭では動こうとします。
しかし、体がついてきません。
そして足がもつれて転びます。
しっかりと事前準備をしましょう。
運動会でお父さんが転ぶと危険:アキレス腱断裂を予防するためには
上図のように、運動前にしっかりとストレッチをして、ふくらはぎの筋肉とアキレス腱の柔軟性をだしておくことが大事です。
輪ゴムをイメージして下さい。
古くなり固まったカピカピのゴムはすぐに切れてしまいますよね。
しかし、新品の柔らかいゴムをかなり伸びてくれます。
それと同じようなことがアキレス腱でもいえます。
そのため、事前に柔らかくなるようにストレッチをしてあげて下さい。
方法
つっぱり感は痛くなく、気持ちがいいぐらいの強さまでつっぱらせて下さい。
その状態を20秒保持します。
その後、一度姿勢を戻してからもう一度繰り返します。
一度に3~5回程度行って下さい。
朝・昼・晩と3回行えるとよいですが、1回だけなら、お風呂上りにして下さい。
筋肉は温まると伸びやすくなりますので、そのタイミングがベストです。
運動する直前だけでなく、数週間前から少しずつ伸ばしておくことが大事です。
そして、ランニングなどの運動を行う際は、実際に行う運動に近い動きを取り入れましょう。
リレーにでるなら、「全力で走る」・「カーブを走る」練習。
マラソンなら「ランニング」。
障害物競争なら、走るだけでなく「しゃがんだり」・「ジャンプ」したりする練習。
このように競技に合わせた運動を行うことが大事です。
柔軟性をだしつつ、適切な運動をして下さい。
とはいえ1番は無理をしないことですね(^_^;)
でもやっぱり子供にはカッコいいところ見せたいですよね?
だから、明日から徐々に運動しましょう!
一方で、ふくらはぎに疲れが溜まっている状態でも切れることがあります。
アスリートでも練習のしすぎや試合の連戦などで無理しすぎて、疲労が溜まり切れることがあります。
おそらく、切れる前はアキレス腱の痛みやふくらはぎの違和感など何かしらの前兆はあったはずです。
でも大事な試合だから休めない。休みたくない!
という気持ちから怪我に繋がっていると思われます。もしお子さんがスポーツしている家庭やご自身がスポーツをしている人も、注意して下さい。
上記のようなストレッチも大事ですが、ふくらはぎのマッサージも大事です。
しかし、なかなか自分でマッサージをするのは難しいし、マッサージ屋さんに行くのも大変だと思います。
そこで私はマッサージ機を利用しています。
なかなかに使い心地がいいので、気になる方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。
運動会でお父さんが転ぶと危険:アキレス腱が切れてしまったら?
どんなに注意していても、切れる時は切れます。
スポーツ選手でも切れるので、しかたがありません。
仮にアキレス腱断裂をした場合は、一般的には手術でアキレス腱を繋げる手術をします。
手術をせずに固定だけ行う保存療法もありますが、再断裂のリスクなどに違いがあります。
保存療法 | 手術療法 | |
再断裂率 | 約11~21% | 約2~5% |
平均スポーツ 復帰時期 |
約7ヶ月 | 約6~9ヶ月 |
このように再断裂のリスクが変わってきます。
どちらを選択するにしろ、スポーツ復帰までは半年以上かかる可能性が高いです。
そして、しばらくは松葉杖での生活になります。
大変ですよね(^-^;
さらに、足首をギプスや装具で固定するため、足首がかなり硬くなります。
その間はリハビリでしっかりしていかないと、今後足首が動かなく可能性もあるため、十分なフォローが必要です。
何より、時間とお金がかかります。
やはり健康が一番ですので、これから運動会や何かしらのスポーツ大会などで、激しく運動する機会のある人は、十分な備えをお願いします。
もし、入院になった方はこちらから必要な物を確認してみて下さい。
≫ 入院生活を快適に過ごすための「お役立ちアイテム」紹介します
また、入院生活は退屈なので、このような物を準備しておくと便利だと思います。
≫ 入院中の暇つぶしはこれで大丈夫【便利アイテム5選+おまけ】
運動会でお父さんが転ぶと危険:まとめ
転んでしまう理由
・若い頃のイメージで動いてしまう
アキレス腱が切れる理由
・アキレス腱の柔軟性がない
予防のために
・種目に合わせた練習をする
また、もともと捻挫などを経験しており、足首が弱い方は市販のサポーターなども併用するとより安全に行えますよ(^^)